殺生石に伝わる伝説は、遠く昔の平安時代の初め、鳥羽帝の時代のお話。
インド、中国を荒らし回った妖怪九尾の狐が日本へ渡来、「玉藻の前」という美女に化身し、
帝の寵愛を受けるようになりました。帝の命を奪い日本を我が物にしようとした「玉藻の前」は、
陰陽師の阿部泰成によってその正体を見破られ、白面金毛九尾の狐の姿となって、
この地へ逃げ込みました。これを知った朝廷は
上野介広常、三浦介義純の両名に命じ九尾の狐を退治させました。
狐は死んで巨石となり、その怨念は毒気となって近づく人や家畜、鳥獣をも殺し続けたのでした。
毎年、5月には”那須殺生石・御神火祭”が開催されます。今年は5月28日(日)。
当日は祭りに参加する人達が、狐の化粧を顔に施します。希望すれば無料で化粧してもらえます。
このお祭りは昔、那須岳の噴火があり、山の神の怒りと、
大勢の村人が亡くなった、その霊を鎮める為に始まったという事です。
周りの山々が暗闇に包まれると「御神火祭」の始まりです。
松明を持った100名の白装束の行列が那須温泉神社からずーっと連なって下りてきて
御神火に点火します。その燃え盛る勢いは怖いくらいのすさまじさ。
語り部の「九尾の狐伝説」の語り、迫力の「白面金毛九尾の狐太鼓」の演奏と、幻想的なお祭りです。
殺生石御神火祭へ行かれる場合は、必ず”防寒具”を携行してください。
初夏に近い5月最終週でも、那須高原の夜はかなり冷えます。